オリンピック後、日本や沖縄の建築費(リフォーム費用)は下がるか問題について!!
更新日:2019年4月5日
オリンピック後にリフォーム費用、建築施工費用は下がるのか!?
沖縄でFPやリフォームの相談をうけていると、このような質問を多くうけます。
そこで、CL Planning的な見解をお伝えします。
あくまでも、1つの指標として取り入れていただければと思います。

CL Planningの見解
『オリンピック後に建築費が下がるのは、考えにくい!むしろ、上がる可能性もあると感じております』
皆さんにお伝えするために、各業界の方々に個人的に今後の動向調査を実施させていただきました。
そのうえで、CL Planningの見解としてお伝え致しますが、それが絶対的な動向ではなく、あくまでも1つの指標として参考にして頂ければと思います。
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・各業界の方々の見解
・建築費(リフォーム費用)が下がりにくい理由
・過去のオリンピック開催都市から学んだ事
・むしろ、上がる可能性もある!?(金利やインフレに注意!!)
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【各業界の方々の見解】
沖縄と東京にいき、
不動産業界、FP業界、建設業界の方々にオリンピック後の日本の情勢を聞いてきました。
《販売メインの不動産屋さん(部長さん)》
オリンピック後、少しだけ下がる可能性はあるが、
すぐに価格は上がっていくだろうとの事。
建築単価は、過疎化の進んでいる地方都市以外は
下がらないだろうとの事です。
《不動産屋さんの営業》
オリンピック後の不動産価格は横ばいか上がるだろうとの事
《金融商品全般を扱うFP(大手企業セミナー講師)》
不動産価格、建築費ともに上がるだろうとの事
《自社でマンション開発を手掛けるディベロッパー(社長さん)》
不動産価格は横ばいか、上がるとの事。
建築単価は下がらずに横ばいか、長期的に見て上がるとの事
《沖縄の建築士》
建築費は下がらずに、上がっていくだろうとの事
《沖縄の大手建設業勤務》
県外の情勢は解らないが、沖縄の建築費は下がらないだろうとの事。
【建築費(リフォーム費用)が下がりにくい理由】
オリンピック後でも建築単価が下落する理由がないとの事で、皆さんの意見は一致していました。
建築単価が上がっている(性格にいうと、5~6年前から上がってきて、2年前からは横ばいとの事)理由として
・建築資材(主に鉄とコンクリート)
・人工代の上昇(職人さんの日当)
があります。
建築資材に関して言えば、日本だけの流通ではなく
世界の流通となっていて、オリンピック後とかは、ほぼ関係ないだろうとの事です。
人工代の上昇についてですが、
日本国内でのオリンピックを含む開発が増えた事、
そして震災復興関係による職人さん不足が大きな要因となります。
逆に人工代が下がっていくためには、
開発などの仕事が減り、職人が余る事で、人工代の単価が下がっていく!!
このような図式が必要となります。
では、オリンピックが終わり、仕事が減るかというと、それは考えられないとの事です。
オリンピック開発がメディアで紹介され、注目されているが、実はそのほかの開発の方が職人不足の大きな理由となっているとの事です。
例えば(完了予定時期)
・山手線新駅(2020年)・・・50年ぶりの山手線新駅。アジアヘッドクォーター地区
・竹芝、浜松町(2027年)・・・羽田空港の国際化に伴い、訪日外国人の玄関口として。 MICEとウォーターフロントを軸に再開発
・日本橋(2025)・・・首都高地下化に伴う水と緑の回廊
・渋谷(2018)・・・渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム→クリエイティブワーカーの聖地
・その他開発・・・虎ノ門、銀座、四谷、横浜でも再開発の計画

このように大きな開発が進んでおり、オリンピックの開催が決定した時
大手ゼネコンさんたちの間では、
「自分たちが請け負いたい」ではなく、「いったい誰が請け負うのか」と噂されたともお聞きします。
そして、さらなる大きな開発が2つ進んでおります。
・東京~大阪間を走る、リニアモーターカーの開発(2045年)
※東京~名古屋間は2027年先行開業
これにより、名古屋エリアも大きな開発が予想されるとの事です。
・2025年に開催が決定された、大阪万博関連の開発、整備などです。

さらに、日本は世界的に見て環境に対する分野(再生エネルギーなど)で遅れを取っており、
今後、いろいろな会社や分野に広がりを見せ、整備や開発の柱になっていくとも予想されているとの事です。
このように、不動産業界・建築業界だけをみると、建築費やリフォーム費用が下がる要因が少ないという事が解ります。
【過去のオリンピック開催都市から学んだ事】
オリンピック後に経済の落ちた国と経済の成長に繋がった国との違いも注目されていて、
経済の落ちた国は、
発展途上でオリンピックを開催していて、
オリンピック関係だけの開発がメインになり、開催後には、それらの開発が負債となってしまった国との事です。
1964年の1回目の東京オリンピック後の日本景気は、開催後約1年間「オリンピック不況」に陥りました。(その後は1991年のバブル崩壊まで高度経済成長が続きました)
約55年前のオリンピック不況が根強いイメージとなっているかもしれません。
逆に成長に繋がった国は、インフラや、都市化が終わっていて、メインの開発がそれらの整備や、環境客の誘致に力を入れた国との事です。
東京オリンピックの場合は後者にあたり、開催後は景気の上昇に繋がる予想との事です。
現に、外国からの観光客は増えており、この数年で2.5倍~3倍にまで増えているとの事です。
今後2030年までには今の倍以上になるといわれているそうです。
2009年・・・670万人
2010年・・・860万人
2011年・・・620万人
2012年・・・830万人
2013年・・・1030万人
2014年・・・1340万人
2015年・・・1970万人
2016年・・・2400万人
2017年・・・2860万人
2018年・・・3110万人
※出所:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計より抜粋
日本政府は東京オリンピック開催決定したことにより、2013年に『2020年訪日観光客数の目標2000万人』を掲げました。
さらには、2015年に訪日観光客数が1970万人を超えた事で、2016年3月に新たな目標数値を発表しました。
『訪日観光客数の目標は4,000万人、訪日外国人旅行消費額は8兆円と、前回の目標数値の2倍となる目標を発表したのです。』
日本観光庁も、2030年には訪日観光客の数が6,000万人となるのを目標に掲げております。
確かに、インバウンド市場拡大のきっかけは東京オリンピックの開催でしたが、オリンピック終了後も同市場は拡大を続けると予想されております。
これにより、オリンピック関連の開発は一部であり、オリンピックが終わってから建築費が下がる要因はないとの事でした。
直接的な人工代の減額に関しましても、国の方針や大手ゼネコンが人工を下げないと考えられる事から、
人工代の減額は可能性が少ないとの事です。
沖縄はどうかと考えた場合、
オリンピック関係の職人不足は一部で、実は他の要因があります。
・石垣島や宮古島などの開発
・空港などのインフラ整備
・軍移設や縮小関係の開発、整備
が大きな要因となります。
離島関係の開発は5~6年後までほぼ確定しており、
その後も、観光客が一定数見込めるのなら、開発は続いていくとの事です。
空港の整備は、来年の完了に向けて最終段階に入っており、すでに多くの工事が終わっていて、
現状で人工の影響がないのなら、来年の完了後も影響は少ないとの事です。